磁石の「不思議」を解明!なぜくっつく?地球が磁石って本当?専門メーカーが教える磁力の謎

磁石の不思議

「磁石を近づけると、なぜ離れていても引き合うのか?」

「なぜ鉄はくっつくのにアルミはくっつかないのか?」

身近な存在でありながら、その正体には多くの不思議が隠されています。

この記事では、磁石の専門メーカーである株式会社マグナが、磁石の基本原理から、世界最強の磁石、磁石にまつわる「不思議」をわかりやすく解説します。

 

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【基本】磁石の「くっつく不思議」を解き明かす

なぜ磁石は鉄を引きつけるのか?(磁化の仕組み)

鉄の中では何が起きているのか。鉄は『小さな磁石』が集まった存在です。ですが近くに磁力が無い時はバラバラの方向を向いている為、磁力を打ち消し合っています。

磁石

磁石を近付けると鉄の中の『小さな磁石』が整列し、さながら『大きな磁石』になります。

『近付けた磁石』のN極が鉄に近づくと鉄の中の『小さな磁石』は『S極』を、反対側に『N極』を向けた状態で整列するので、磁石同士が引き合うようにくっつきます。

離れていても力が働くのはなぜ?(磁場の概念)

磁力線のイメージ

磁石は触れていなくても、離れた場所にある金属を引き付けたり、別の磁石に力を及ぼしたりします。これは、磁石のまわりに「磁場」や「磁界」と呼ばれる目に見えない力のはたらく空間が広がっているためです。

図の曲線は、磁力線の広がり方をイメージしたものです。磁力線はN極から出て、ゆるやかな弧を描きながらS極へと入るように広がっています。

この磁力線が広がっている領域を「磁場」と呼びます。この磁場の中に鉄などの磁性体や別の磁石が入ると、引き付けたり反発したりする力として干渉します。

私たちは磁場を直接見ることは出来ませんが、確かに磁石のまわりに存在しており、磁石が離れた場所にまで力を伝えられる理由になっています。

 

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くっつく金属とくっつかない金属の境界線

磁石は、すべての金属にくっつくわけではありません。

鉄やニッケル、コバルトなどを強く引き付けますが、アルミニウムや銅、金、銀などはほとんどくっつきません。この違いは、金属の中にある小さな磁石のような性質を持つ粒子の並び方にあります。

鉄などの金属は、磁石を近づけると粒子の向きがそろいやすく磁力によって引き付けられます。一方、アルミニウムや銅などは粒子の向きがそろいにくいため、磁石を近づけてもほとんど反応しません。

そのため、金属の種類によって磁石との相性が異なることから「金属だから磁石につく」とはなりません。

身近な例

  • クリップや工具(鉄製) → 磁石につく
  • アルミ缶や1円硬貨 → 磁石につかない
  • 銅線(電線) → 磁石につかない
  • 10円硬貨(銅) → 磁石につかない
  • ステンレス → 種類によってつくものとつかないものがある

ちょっとした豆知識

「金属かどうか」を見分けるために磁石を使う方もいますが、実はこれ、ウマくいきません。

ご存じの通り鉄は磁石にくっつきますが、アルミニウムや銅のように、金属であっても磁石につかないものがたくさんあります。

【驚き】身の回りの「不思議な磁石現象」

地球は巨大な磁石!方位磁針が北を向く理由

地球が巨大な磁石であることを利用して『羅針盤、方位磁石』が誕生しました。

これは磁石の『N極』が北極、『S極』が南極を指す特性を利用しております。

ですが注意が必要です!地球は『北極点 [North Pole]がS極・南極点[South Pole]N極』の巨大な磁石であることを。

水や野菜が逃げる?「反磁性」という隠れた力

世の中には磁石に『くっつもの』、『くっつかないもの』以外に『離れていくもの』が存在します。

これは反磁性と呼ばれる性質で、その代表に『水』や『トマト』があります。

浮上させるほどの反発力は持っておりませんが、摩擦が無い状況では磁石から逃げるように動きだします。

磁石を熱したり叩いたりするとどうなる?

磁石の中では電気の粒である『電子』が一斉に同じ向きに公転運動することで磁力を発生させますが、磁石に衝撃を加えたり加熱をすると電子の回転が不安定になり磁力が低下します。

さらに加熱し続けると、とある温度を境に回転運動が崩壊し磁力が消失します。この温度を『キュリー温度』と言います。

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【最強】世界で一番強い磁石は何?

現代の最強王者「ネオジム磁石」

他の材質と比較すると

残留磁束密度  Br(磁力線を通すことのできる穴の数)が

   フェライト磁石の4~5倍、サマコバ磁石の1.2~1.5倍

保磁力  bHc(耐熱能力や逆磁場に対する抵抗力を表す力)

   フェライト磁石の4~6倍、サマコバ磁石の0.8~0.9倍

最大エネルギー積  (BH)max(磁石の総合的な能力)

   フェライト磁石の10~15倍、サマコバ磁石の1.2~2.5倍

となっており、保磁力はサマコバ磁石に劣るものの他のパラメーターはどの磁石よりも高く、常温下では最強の磁石材となっております。

項目 フェライト磁石
と比べて
サマコバ磁石
と比べて
残留磁束密度Br 磁力線を通すことのできる穴の数 4〜5 1.2〜1.5
保磁力bHc 耐熱能力や逆磁場に対する抵抗力を表す力 4〜6 0.8〜0.9
最大エネルギー積(BH)max 磁石の総合的な能力 10〜15 1.2〜2.5
※数値は各磁石を同一サイズで比較した場合の、ネオジム磁石を基準とした目安です。
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▶ ネオジム磁石とは?主要磁石の中で最も強力!

強すぎるがゆえの注意点(スマホや精密機器への影響)

近年、『磁石が電子機器に及ぼす影響』を耳したことがあると思いますが、磁石の取扱い周知や製品ごとの磁力対策は進んでおり、磁石が原因の不具合を耳にすることが減っております。

しかし一部のキャッシュカードや磁気カード、磁気センサーやコンパス等の磁気に敏感なものがまだまだあるので、磁石のお取り扱いには十分注意してください。

特に皆さんの身の回りにあるスマホは磁気センサーやGPSと連動するコンパス機能など磁気に弱い部分があります。

『Qi(チー)』充電機能やIphoneの『MagSafe(マグセーフ)』等、メーカーが想定している部位以外に磁石を近付けないようお気を付けください。

【歴史と未来】磁石が変える私たちの暮らし

磁石の歴史 年表
STEP 1発見紀元前3000年頃 ギリシャのマグネシア地方で、羊飼いマグネスが、鉄の杖やサンダルの釘を吸い付ける不思議な石(磁鉄鉱)を発見しました。
STEP 2実用の始まり紀元前240年ごろ〜15世紀 紀元前240年ごろから10世紀ごろの中国で、磁石が常にを指す性質から、占い道具として活用されました。11世紀には航海用の羅針盤(方位磁針)が発明され、15世紀にヨーロッパへ伝えられて大航海時代が始まりました。
STEP 3科学的進歩1600年〜19世紀 1600年、イギリスの物理学者が初めて地磁気の存在を明確に論証しました。19世紀には電流と磁場の関係や電磁誘導の法則など磁気と電気の研究が進展し、産業革命期には発電機やモーターに応用されました。なお、この時代までの磁石は、天然磁鉄鉱や鍛造鋼など「磁気をおびた鉄材」が利用されていました。
STEP 4磁石材料の革新1917年〜1960年代 1917年、東北大学の本多光太郎博士が「KS鋼」を発明し、人工永久磁石の開発史の大きな転換点となりました。1960年代以降は、サマリウム・コバルト磁石ネオジム磁石に代表される希土類磁石が開発され、磁石の性能が飛躍的に向上しました。
NOW更なる発展現代 現代では磁性材料の研究がさらに進み、物質をただ組み合わせるだけでなく、原子・分子の持つ電子スピンを利用した「スピントロニクス」という考え方が生まれ、量子力学やナノテクノロジーにまで応用されています。

誰がいつ見つけた?磁石の発見と歴史

発見

紀元前3000年頃のギリシャの『マグネシア地方』で、羊飼い『マグネス』が鉄の杖やサンダルの釘を吸い付ける不思議な石(磁鉄鉱)を発見。

実用の始まり

紀元前240年ごろから10世紀ごろの中国にて、磁石が常に『南』を指す性質から、占い道具として活用されました。

さらに11世紀に入り、中国で航海の器具として羅針盤(方位磁針)が発明され、15世紀になりヨーロッパへ伝えられ大航海時代が始まりました。

科学的進歩

1600年、イギリスの物理学者が初めて地磁気の存在を明確に論証しました。

19世紀には電流と磁場の関係や電磁誘導の法則など、磁気と電気の研究が進展し、産業革命期には発電機やモーターに応用されました。

この時代までの磁石は天然磁鉄鉱や鍛造鋼など『磁気をおびた鉄材』を磁石として利用しておりました。

磁石材料の革新

1917年、東北大学の本多光太郎博士が「KS鋼」を発明しました。

これは人工永久磁石の開発史の大きな転換点となりました。

1960年代以降、サマリウム・コバルト磁石やネオジム磁石に代表される希土類磁石が開発され、磁石の性能が飛躍的に向上しました。

更なる発展

現代では磁性材料の研究がさらに進み、物質をただ組み合わせるだけでく、原子・分子の持つ電子スピンを利用した「スピントロニクス」という考え方が生まれ、量子力学やナノテクノロジーにまで応用されています。

磁石がなければスマホも車も動かない?

モーター・スピーカー・センサーなど目に見えない場所で活躍する磁石

スマートフォンや自動車等、私たちの身の回りのあらゆる製品を構成している部品には『磁石が生み出す力と電気エネルギーを組合せることで動きや音に変える』、『動きや音を磁石の力で電気エネルギーに変える』等々、磁石と組み合わせたものが数多く存在していることから、磁石は私たちの暮らしや産業を支える重要な『部品』として活躍しております。

以下に、身近な製品と磁石の主な用途をご紹介します。

  • モーター:永久磁石と電磁石による『吸着力』と『反発力』を回転力に変換。
  • スピーカー:永久磁石と電磁石を組合せて板を振動させることで音を発生。
  • マイク:スピーカーの仕組みを逆転。音で板を震えさせ、板に連動したコイルに発生した電気を信号に変換。

磁気冷却

特定の金属(磁気冷凍材料)に磁石を近付けたり遠ざけたりすることで温度変化を起こさせる。

  1. 磁気冷凍材料に磁石を近付ける

→冷凍材の中の『小さい磁石』が整列することで発熱

→温度上昇

  1. 磁気冷凍材料から磁石を遠ざける

→冷凍材の中の『小さい磁石』の列がバラけることで吸熱

→温度下降

※1と2をサイクルさせる際、1の後に水などの流体を流すと加熱、2の後に流体を流すと冷却

【Q&A】よくある「磁石の不思議」にお答えします

Q1.磁石を水に入れると磁力は弱まる?

磁石を水の中に入れても磁力は変わりません。

しかし、磁石の種類によっては水分と結合し錆びてしまうものもあります。磁石が錆びた部位は磁力を発生することがありません。その為、錆が進行すればするほど弱くなってしまいます。ネオジム磁石は特に錆が発生しやすいので使用場所・保管環境に気を付けてください。

Q2.磁石を半分に割るとどうなる?

磁石の中には小さな磁石が集まってできているので、半分に割っても磁石のまま、どんなに小さく割っても磁石です。

実は、複数の『原子+電子の集合体』である分子サイズまで小さくしても磁石として機能しております。

まとめ

磁力と呼ばれる不思議な力を宿している『磁石』は知れば知るほど奥が深く、現代社会においてありとあらゆる場所に活用されている、なくてはならない存在。

株式会社マグナは、この「不思議な力」を最適に活用するためのアイデアやお困りごとへの解決策を皆様へ絶えず提供いたします。

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